liner notes 〜MIQueen Vol.3(1)





【 太陽メドレー

その名の通り太陽をテーマとした、涙の太陽 〜 真っ赤な太陽 〜 太陽がくれた季節 の3曲で構成したメドレーである。
MIQの鳥取時代、とある地方ステージの為に当時の所属プロダクション殿との協業で作られた と言うのが出自である。
私もそのステージを見せて貰ったが、MIQがこれを歌ったのは確かその一回切りしか無かった様に思う。
このまま埋もれるに任すは惜しいと思い、また久しぶりに聴いてもみたくなり、MIQueenにてセットさせて頂いた。
本番時はメドレー推移タイミングにやや相違を生じたものの、MIQとしては自分も編集に携わりつつも斯様な背景での埋没曲だった事も鑑みると、まあ御愛敬と言った所か。

涙の太陽は、Emy Jacksonの英語版が原点であるが、実はこれこそが、MIQが人生で始めて購入したEPレコードに他ならない。
恐るべき事に、小学女児でありながら既に英歌詞を諳んじていたそうで、後の歌手MIQへの系譜が垣間見える。
以前の初回歌唱では日本語版を採ったMIQが、今回MIQueenでは冒頭部を英語版で歌ったのも、その思い出故か。

真っ赤な太陽は、これも美空ひばり御大の超有名曲であり、また多くのカバーを生み出している名曲である。 
カバーアーティストの中にSnuffまでが含まれているのは、これまた御愛敬と言った所か。
予断ながらMIQは美空御大の曲も好み、メドレーで無い完全形でこれ以外に何曲か、主に老人向けステージで幾度か歌った事もある。
その内、何れかをMIQueenでも取り上げてみようか。

太陽がくれた季節は、私の年代では歌謡曲と言うよりは村野氏主演の 『 飛び出せ!青春 』 主題歌としての記憶が濃いのでは無いか。
当文を書くにつけて、この曲は小学校時代に音楽の授業で取り上げられ ( 確か教科書に載っていた?? ) 、極めて真面目に向かい合った記憶も薄っすらと蘇った気がして来た。
尚、主演村野氏と言えばもう一つ、鮮烈に覚えているのが 『 日本沈没(TV) 』 であるが、その内容と共に主題歌も、私を含む当時の子供等は忘れ難い衝撃を与えらた。
おっと、また横道に反れて行くので早々に軌道修正せねば と言いつつ、上記主題歌はまた何れかのMIQueenで取り上げようかとの欲望が、鎌首をもたげたりもしてきた。

かくして幕を開けたMIQueen Vol.3であったが、太陽で括ったこれらのメドレーが発したインパクトは、MIQueen三回目にして一周年の幕開けを飾るに相応しかったのでは無かろうか。

( ‘10・5・25 )



【 光の天使 

MIQueen  一周年記念として、お客様事前リクエストの最多曲を実現 との企画の下、セットされた曲であった。
リクエストに当たっては MIQueen 趣旨と雰囲気を考慮して頂いた上で、との事前お願いを出していた中、どうにもライブ趣旨とそぐいそうに無い特定趣向層限定のリクも散見されたながら、幸い角川映画に連るこの曲が最多を獲得した。 
やはり汚れた英雄・ Riding high を前回実現した事が、同歌手 Rosemary Butler 繋がりとして、『 光の天使 』 を押し上げたか。

これをテーマとした幻魔大戦は角川初のアニメーションであったが、二十数年前のTV放映で見た限り、余り印象に残る内容で無い様に思えた。
時を経ると、受け手の感性の変遷も有って新たな感慨を得る作品も有るが、この映画は改めての視聴にも昔の印象を覆すものでは無かった。
尤も、ハルマゲドンという、普通なら接する事も無かった筈の特定宗教の用語を、世にある程度知らしめたきっかけにはなったかも知れない。

私の中でも、今企画を除いてこの曲のセットは可能性として無くはなかった程度であり、MIQは更に、内容も曲も多少覚えていた汚れた英雄とは違い、何れも全く知らなかった。
故に余り乗り気で無かったMIQではあったが、企画の最多曲だからと半ば強引に押し切らせて貰った。
かくして迎えた本番では、MIQから曲名が発せられた瞬間に客席が実に大きくどよめき、それは歌い切りと同時に割れんばかりの拍手に繋がった。 
実際この曲は皆様に相応なサプライズであった様であり、その事がまたMIQや私へのサプライズでも有った。
直前まで、この先もう歌うかどうか的な乗りのMIQながら、有体に言えば意外な反響に味を占めた様で、後のアニメ層特定ステージでも歌って見たらしい。
そこでも再度大きな声援を得たとの事で、それでMIQは益々味を占めた様子であった。  人間、現金なものである・・・
しかし Rosemary  Butler を2曲とも、それも今カバー実現したのは、やはり MIQueen ならではと認めて頂けるのではないか。

思惑通りと言うべきか、以後も角川映画のテーマ曲は、ご存知の通り回と共に累積を重ねている。 
この曲も、MIQueen が誇る角川コレクション?にも、またMIQ持ち歌にも加えられ、結果的に好選曲にさせて頂けた。
また MIQueen キーボーディスト・増田泉氏も、この曲がシンセとロックの神様・Keith Emerson 作と知り、その点で実に高揚されていた。

蛇足ながら、MIQ本人が使う本番用バック音源を私が用意した初がこれであり、誉れに感じている。  他所でも使われているとなると殊更に‥

( ’10・06・22 )



【 Unchained melody  】

言うまでも無い。 Oldies ながら、‘90年の映画Ghostで効果的に使われ、この曲 = この映画 と言う程リバイバルヒットした。
また、異性と連れ合って行く象徴的な映画である事は誰しも御異論無い筈で、 私も当時の趨勢通りに劇場へ赴いた。
そうした思い出から、MIQが歌うこの曲を一度聴いてみたかった。

勿論、Ghost以前にもこの曲をOldiesとして良く知っていた事も大きいが、既知曲が効果的に使われた映画の影響は大きかった様に思う。
そして当時27歳にしてベビーフェイスを湛えたデミ・ムーアの好演も、また。  その彼女と、極最近に再会を果たした。  
Charlie'sAngelsシリーズのDVD中でであったが、湛えているのは特徴的だったベビーフェイスでなく、成熟した美しさに大きく変る。
その時点で40と言う歳だった事もあろうが、歳と共に重ねる多くの経験が、時に妖艶に時に冷徹なまでの力強さが滲み出る女の顔になっていた。
それを余す所無く活かし切った悪女振りを劇中では演じ、新たに魅了されてしまった。 ある意味‘90年の彼女よりも、更に。

おっと、またも大きく脱線してしまったので、Unchained Melody に戻ろう。
今回改めて調べて見ると、この曲‘55年のUnchainedという映画でも使われたとの事だった。  日本未公開らしいので、知る術も無いながら。
映画の舞台は刑務所らしく、塀の外の想い人に宛てたと考えれば、その歌詞のみならず曲名にまでも合点がいく。
更に曲自体はその20年前の作との説も在った。  中々奥が深い曲である。。

MIQ歌うこの曲は、これも飾りを一切廃して増田氏のピアノ一本で とお願いした。
静かに、囁くように静かに始まった冒頭部から徐々に強さを増し続け、終盤部で力強さが最高潮に至るなど、表情変化豊かな出来となった。
思い返せば、やはり終盤付近のフォルテ,シャウト部のみが強く記憶に残りがちである事は否めない気がする。
それが決して好ましく無い訳では無い。  MIQらしいと言えば、余りにもMIQらしい展開でもあるし。
が、若しこの曲を再度MIQueenで取り上げさせて貰う機会が有れば、次は終盤まで一貫ソフト版で と頼んでみるも一興か。

( '10・07・09 )



【 Mas que nada  】

これもMIQ本邦初公開という『 MIQueen初 』の曲で、後に様々なシーンでMIQに使って貰え続ける 『 MIQueen発 』 であった。
曲は Taj Mahal の Jorge Ben Jor 作で、更に ‘66年 Sergio Mendes の手で世に広く知らしめられた名曲中の名曲、 Mas que nada 。

Sergio 版はミステリアスで、更に Brasilian ならではの熱さの中にクールさがちりばめられ素晴らしく融合しているが、私の中での最高峰は Sergio 版リリース直後の66年本人ライブ版である。
熱い部分はややオリジナルより押えられている反面、女性ボーカルの力を更に抜いた感で、背筋に来る程クールタッチに仕上がっていた。
これも様々にカバーされている中、何れからもほぼ等しく受けるのは、暑さと強さでは申し分無いものの、正にこのクールさの足りなさである。
今回MIQへも Sergio 版,カバー版問わず、様々に事前を試聴してもらったが、MIQが選んだのが奇しくも同じ 66年ライブ版であった。

そして迎えた本番、イントロ部分が流れ出すや否や、Mas que nada のMIQ実現瞬間に感無量であった。  が‥‥
続く歌唱は矢張り熱く、また力強かった。  事前に確認してもらったクール感も、念頭には置かれていたようではあったが。 多少は‥‥
むしろこの曲で発揮されたのは、増田氏のピアノの冴えであろう。
自分はロック系故にラテン系は苦手だ。  この演奏を依頼した際、氏は初めそう言われて敬遠したそうに見えた。
ところが本番のあの見事なピアノ伴奏。  氏の御謙遜ぶりと、その多才さ ( 多彩さ ) 振りを遺憾なく堪能させて頂けた。

尚、これを書くに当り、Sergio 版に先駆ける事3年前の Jorge 版 も改めて聴いてみた。
ミステリアスさでは Sergio 版が勝る。  が、あっさり感とメロディアスさ、更にまた違ったクールさから、こちらも心引かれる。
Sergio 版に無い終焉付近の畳み掛ける様なスキャットは、こちらの方がMIQに向いているのではないかとも思わせた。
この先の MIQueen で、何れセットを考えたくなって来た。

余談中の余談ながら、Vol.5 時に再セットした際、イントロ前にMCでMIQが語った話を最後に。
客席で歌われる際、歌詞中 『 Oba Oba Oba 』 に 『 ン 』 を付けられると、流石のMIQも凹むのでご勘弁を との事。  自虐だ‥‥

( '10・07・29 )



【 Over the rainbow 〜 みえるだろうバイストンウェル 〜 Over the rainbow  】

これもお客様からは受けに受けた、メドレーとしては MIQueen 初にして発の1曲であり、また発案者は誰あろうMIQ本人であった。
本来、これらは2曲別々にセットをお願いしており、事実、そのまま本番当日を向える予定であった。
それがMIQ発案により、しかも本番移動時の新幹線中という直前で、メドレー化が決定した。 何れもファンタジー的世界観で相通ずる との由で。

直前でその発案に至るMIQにも脱帽であるが、更にその繋ぎアレンジを一瞬で頭に描き、続くステリハにて一発で決めて見せたピアノ伴奏者,増田氏、その才にこそ何時もながら感服させられる。
特に、再び Over the 〜  に戻る際の、長めに取った間奏が徐々に みえるだろう~ から替わり行く、特にその様の美しさは圧巻であった。
終盤盛り上がりから、一刻の静寂をあえて設けた後の盛大なラスト、更に静かで暖かいスキャットにて真の締め括りとした痺れるような余韻も、また。

Over the 〜 は、米童話の金字塔と呼ぶに相応しい名作 Wizard of Oz ,即ちオズの魔法使いの、映画化時主題歌である。
何と映画化は前次大戦勃発年の’39年と言うから驚きであるが、白黒が途中から色付けされ、擬似的ではあるがカラーに変わる点も驚いた。
尤も、私が触発されたのはこの映画で無く、35年以上前だったと記憶しているが、同名の和製TVドラマに他ならない。
そこでもクロージング曲として毎週流れたのが、この Over the 〜 ,即ち 虹の彼方に で、歌詞こそ日本語であったが、それがまた親近感を高めた。
これがこの曲、そしてこのメロディーに馴染んだ馴れ初めであり、また心に残るこの名曲を是非MIQで聴きたいと、長年願っていた。

余談ながら、曲と同じく今も印象に残っているのは、ドラマ中の登場人物,ブリキマンに関してである。
他の出演者は記憶していないが、彼だけは忘れられない。  演ずるは常田富士男であったから。 そう、あの日本昔話の方が顔出しで。
以来、昔話を初め常田氏の声を聞く度、ああブリキマンだと言う声が、頭の何処からか聞こえる気がした。  げに刷り込みとは凄いもので。

おっと、また本格脱線懸念が高まってきた為、軌道修正を。
みえるだろう〜 は、言わずもがなMIQオリジナル曲にして、'83年から'84年に 『 ダンバイン 』 という番組のクロージングに毎週流れた曲だった。
これら2曲をファンタジーを共通項に繋げて見せたMIQと増田氏に、繰り返しではあるが最大の賛辞を贈りたい。
実際、ゆったりした良いメドレーである。  何れかの MIQueen で、是非改めてセットしたいと思っている。

( '10・08・19 )



【 Hot stuff  】

これは原曲を歌った Donna Summer の持つ 『 Queen of Disco 』 の通り名を MIQueen と掛けてみたくなったり、何れ改めてやってみたいと言っていたMIQの言葉を思い出したりもし、今回セットを決めた。

またMIQueen Vol.2 に続き、会場店長にして素晴らしきギタリスト、えでぃ氏にギター参加頂いた曲である。
ギター抜きでの増田氏ピアノ版は元から有ったが、えでぃ氏に折角の機会であるからと参加をお願いし、快諾頂いた。

その時点で私は元のピアノ版、と言うかギターレス版を聴いた事は無かったが、極最近、MIQのライブでそれを聴く機会を得た。
勿論ピアノ版と言えどもピアノオンリーでの演奏版では無く、バックパーカッションやベース等に増田氏の生ピアノを加え、高い臨場感を出された版であるが、その中でもギターの有る無しで印象は大きく変わるものだな と再認識した。

ついVol.3での増田氏,えでぃ氏同時参加版と比較して聴いてしまうのは申し訳無かったが、ギターパートのカバーを増田氏が相当頑張られているな との印象を受けた。
当然と言えば当然かも知れないが、パンチ力の面でギターレス版では醸し切れ難い味が有る事も、再認識させて貰ったながら。
えでぃ氏の演奏はそれ程に熱く、また間奏部のギター独自パートも、フルに利かせたアドリブで観客を魅了し、大きな拍手を頂いていた。

後のVol.5 にてもHot stuff をセットさせて貰ったが、その盛り上がりが忘れられなかったからに他ならない。 
勿論、えでぃ氏のご支援も頂いた上で。 間奏部も、更に装いを新たにしたアドリブで、またも観客を沸かせに沸かせながら。

余談ながら Hot stuff 直訳は、熱い物 となるが、この曲中において如何な意図があるのだろうか と、何とは無しにMIQに尋ねた事が有る。
MIQが語った 『 真の意味 』 は、驚愕そのものであった。 
熱くてどうしようも無いくらいの高潮状態、つまり、体が火照って火照って○E○したくて堪らない状態 との事であったから。  過激だ。

( ’10・09・29 )